写真はこころを写す、を初めて知った時

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まだフォトセラピーなるものの存在すら知らなかった1990年代の終わり、様々なことが重なり私は心身の不調をきたしてどうにもならなくなっていました。周りからも励まされ助けられてはいたのですが、すぐ熱を出しては寝込むカラダと多忙で余裕のない心を引きずっていくのに精一杯で、心身ともに疲れきっていました。
そんなある日、私はどうしようもなく感情が高ぶり、また落ち込み、夜中に一人で外に出ました。なぜか手にはカメラを持っていました。その前から写真の仕事はしていたのでカメラだけは何台もありましたので、家を出るのに何でもよいから持って行こうと思ったのでしょう。行くあてもなくとにかく遠くへ遠くへと車を走らせ、深夜営業のレストランに車を停めました。
 そのとき、何故か「写真を撮りたい!」と強く感じました。そして露出はよいか、構図はどうかなど一切気にせず手当たり次第に写真を撮りはじめました。建物、夜の空、月、道路、トラック、セルフポートレートなど・・・。そのときは自分をどうすることもできないことがもどかしくて、また激しい気持ちが噴出してきたかのようでした。
しかし、そのフィルムを現像プリントして見たときに愕然としました。そこには外に飛び出したあの日の感情が写っていたのです!「写真は思いを写す、それはまちがいない!」。
―私は確かに写真を撮ることで正直な気持ちを知ることができたのです。
これが、写真にセラピーとしての効果があると感じた最初の経験です。
<プラスの思いにこそ>
これはあくまでも、私の「最初の」フォトセラピー経験です。上の文を読むとマイナスの感情を吐き出すのに写真が有効であるかのようですが(笑)、プラスの感情、心のポジティブな部分を引き出すことにこそ有効なのです。嬉しい、楽しい、元気が出る、ラッキーだ・・・それがどんなに小さなことでもオーバーに喜んでカメラに収めると感動は2倍3倍になります。その写真を見ることでまた明るくなれる、そんな効果がたくさんありますよ。