写真家・篠山紀信さんが死去
あけましておめでとうございます。2024年もよろしくお願い申し上げます。
今年初めての投稿で、こんな悲しいことを書くことになるとは。
ネットを見ると、死因はいくつか罹患していた病気(癌、糖尿病?)の悪化が原因かと出てきますが定かではありません。
昨年12月に樋口可奈子さんのことを書いた時に紀信さんにも思いを馳せたばかりなので、急な訃報にショックを受けました。
篠山紀信さんは母校の大・大先輩。女優さんを「激写」しているイメージが強いですが、自然や街の風景やファッション・フォトグラフィー、社会派的な作品も数多く発表しています。
特にファンではなかったのですが、写真に向き合う真剣さは日本に於いてこの人の右に出る人は居ないのではないかなぁとずっと感じていました。
私が大学を卒業してから数年経った時、大学に篠山紀信さんが講演に来られました。ちょうど宮沢りえさんの写真集”Santa Fe”が発売になった直後でした。
その講演で印象に残った言葉のひとつは「写真家というのは、カメラを通して被写体を頂いている。撮影者の前にまずは被写体ありき。撮るという行為は“これをいただく!”ということ」でした。
こんなに高名な写真家でも自分よりもまずは被写体の方が格上?のような感じで話されていたのが印象的でした。そして篠山紀信様は「今回私が頂いたのは宮沢りえさん」と話を続けました。
この「被写体をいただく」感覚は、その後私も作品作りを通して強く強く実感しました。真実であり、基本です。いただいているのだから大切にして真摯に向き合わなければならないのです。そして自分なりの咀嚼も必要。大写真家から学んだ「写真とは」「撮影とは」。でもこのいただくことってとても幸せな事だと思います。このことは私の思いも含めてちょこっとフォトセラピーのテキストに書いてあります。盗作かな…^^。
余談ですが、この講演の後サイン会があり、Santa Feを購入した人にサインをしていた時、さりげな〜く後ろに近づいて、アフロヘアーに人差し指でちょこんと触ってしまいました笑!気付かれなくてよかった^^。意外と小柄な方でしたね。
篠山氏はサインをしながら「これ(Santa Fe)もう出てるの?」と聞いていました。宮沢りえさんの記者会見や、購入者が書店に列を作って大騒ぎになっていたことをご存知ないのかしら、撮影した写真家なのに!なんだかカワイイな〜^ ^とほのぼのした思い出も。
長くなりましたが、ずっと第一線で活躍する写真家マエストロ。これからも、100歳を超えても撮り続けるのだろうと思っていたので涙が出ます。残念でなりません。
謹んで哀悼の意を捧げます。どうか安らかにお眠りください。合掌。